
この記事では、サッカーを始めたばかりの小学生や、これからサッカーを始めたい小学生、そしてその保護者の方に向けて、サッカーの基本ルールを分かりやすく解説します。試合時間やピッチの大きさ、選手の人数とポジション、ファウル、オフサイド、キックオフ、スローイン、ゴールキック、コーナーキックなど、試合に必要なルールを図解を交えながら丁寧に説明していきます。この記事を読めば、サッカーのルールを理解し、試合観戦がもっと楽しくなるだけでなく、実際にプレーする際にも役立つ知識が身につきます。お子様のサッカーデビューを応援する保護者の方にもおすすめです。さあ、一緒にサッカーの世界を学びましょう!
1. サッカーの基本ルールを理解しよう
サッカーを楽しむためには、基本的なルールを理解することが重要です。ここでは、試合時間やピッチの広さ、選手の人数とポジションなど、サッカーの基礎知識を小学生向けに解説します。これらのルールを理解すれば、Jリーグやワールドカップなどの試合観戦がもっと楽しくなります!
1.1 試合時間と勝敗の決め方
サッカーの試合時間は、前後半それぞれ45分間、合計90分間です。その間にハーフタイムと呼ばれる15分間の休憩があります。試合終了時に得点の多いチームが勝利となります。
1.1.1 試合時間
公式戦では上記の通りですが、小学生の試合では、試合時間やハーフタイムの長さが短縮される場合があります。例えば、8人制サッカーでは前後半それぞれ25分間で行われることが多いです。また、低学年ではさらに短い時間で行われることもあります。試合時間は大会のレギュレーションによって異なるため、事前に確認しておきましょう。
1.1.1.1 小学生の試合時間
学年/形式 | 前半 | 後半 | ハーフタイム |
---|---|---|---|
4年生以下 | 20分 | 20分 | 10分 |
5,6年生 | 25分 | 25分 | 10分 |
8人制 | 25分 | 25分 | 10分 |
※大会によって異なる場合があります。
1.1.1.1.1 試合時間に関する補足
試合時間が短縮される理由として、小学生の体力面への配慮が挙げられます。また、短い時間の中で集中してプレーすることで、より効果的なトレーニングにも繋がります。
1.2 ピッチについて(図解)
サッカーの試合が行われるピッチは、長方形の形をしています。国際サッカー連盟(FIFA)が定める公式戦のピッチの大きさは、縦100~110メートル、横64~75メートルです。しかし、小学生の試合では、ピッチの大きさがさらに小さくなります。
1.2.1 ピッチの大きさ
小学生年代では、ピッチの大きさも公式戦とは異なります。年齢や試合形式によって、様々なサイズのピッチが使用されます。
1.2.1.1 小学生のピッチの大きさ
区分 | 縦(m) | 横(m) |
---|---|---|
国際試合 | 100-110 | 64-75 |
11人制(一般) | 90-120 | 45-90 |
8人制(小学生) | 50-70 | 30-45 |
低学年 | 40-50 | 25-35 |
※大会によって異なる場合があります。
1.2.1.1.1 ピッチに関する補足
ピッチのサイズが変わることで、試合展開も大きく変わります。例えば、ピッチが小さいと、選手間の距離が近くなり、より多くの攻防が生まれます。そのため、小学生年代では、狭いピッチでプレーすることに慣れることも重要です。
1.3 選手の人数とポジション
サッカーは、1チーム11人の選手でプレーします。そのうち1人はゴールキーパーで、残りの10人はフィールドプレーヤーです。
1.3.1 選手の人数
11人制サッカーが一般的ですが、小学生年代では、8人制や少人数制で行われることもあります。8人制の場合、フィールドプレーヤーは7人となります。
1.3.1.1 ポジションと役割
フィールドプレーヤーは、大きく分けて、フォワード(FW)、ミッドフィルダー(MF)、ディフェンダー(DF)の3つのポジションに分類されます。それぞれ役割が異なり、チームの戦術によって様々な配置がされます。
- フォワード(FW):主な役割は得点すること。相手ディフェンスの裏を狙ったり、味方からのパスを受けてシュートを打ちます。スピードやドリブル技術、シュート精度が求められます。
- ミッドフィルダー(MF):攻撃と守備の両方に参加し、ゲームメイクを行います。パスで味方にボールを繋いだり、相手からボールを奪ったり、攻守の要となるポジションです。パス精度やボールコントロール、運動量などが求められます。
- ディフェンダー(DF):主な役割はゴールを守ること。相手フォワードの攻撃を防ぎ、ゴールキーパーを助けます。相手との競り合いに強く、ポジショニングの良さなどが求められます。
- ゴールキーパー(GK):ペナルティエリア内で手を使ってプレーできる唯一の選手。シュートを止めたり、クロスボールをキャッチしたりしてゴールを守ります。反射神経やキャッチング技術、判断力などが求められます。
1.3.1.1.1 ポジションに関する補足
ポジションは固定されたものではなく、試合状況やチームの戦術によって変わることがあります。また、複数のポジションをこなせる選手は、チームにとって貴重な存在となります。それぞれのポジションの特徴を理解し、自分の得意なポジションを見つけることが大切です。 ポジションには、FW、MF、DFの中にさらに細かい役割があります。例えば、センターバック、サイドバック、ボランチ、トップ下、ウイングなどです。これらの役割も理解しておくと、サッカー観戦がより一層面白くなります。
2. ファウルについて
サッカーでは、ルールで禁止されているプレーをファウルといいます。ファウルには様々な種類があり、反則を取られると、相手チームにフリーキックやペナルティキックなどの有利な状況が与えられます。ファウルをしないように、ルールをしっかり理解しておくことが大切です。また、故意でなくても、危険なプレーとみなされた場合もファウルとなるので注意が必要です。
2.1 ファウルの種類
ファウルには、大きく分けて直接フリーキックが与えられるものと、間接フリーキックが与えられるものがあります。主なファウルの種類と、それぞれのペナルティについて説明します。
ファウルの種類 | 説明 | ペナルティ |
---|---|---|
トリッピング | 相手選手の足を引っ掛けて転倒させる行為。 | 直接フリーキック |
プッシング | 相手選手を手で押す行為。 | 直接フリーキック |
ホールディング | 相手選手のユニフォームや体をつかむ行為。 | 直接フリーキック |
ハンドリング | フィールドプレイヤーが手や腕でボールに触れる行為。(キーパーはペナルティエリア内であれば触ることができる) | 直接フリーキック |
チャージング | ボールを持っていない相手選手に、肩や体を使って過剰にぶつかる行為。 | 直接フリーキック |
危険なプレー | 相手選手を怪我させてしまう可能性のあるプレー。例えば、足が高く上がっている状態でボールを蹴ろうとする行為など。 | 直接フリーキック |
ラフプレー | スポーツマンシップに反する乱暴なプレー。相手選手を蹴ったり、殴ったりする行為。 | 直接フリーキック 場合によってはレッドカード |
スピッティング | 相手選手につばを吐きかける行為。 | 直接フリーキック 場合によってはレッドカード |
ディレイイング・ザ・ゲーム | 試合を遅らせる行為。例えば、スローインを故意に遅らせたり、ボールを蹴り出す行為など。 | 間接フリーキック 場合によってはイエローカード |
オフサイドポジションでのプレー | オフサイドポジションにいて、ボールに関与したとき。 | 間接フリーキック |
キーパーへのバックパス反則 | 味方選手が意図的に足でキーパーにバックパスをしたとき。(スローインやヘディングでのバックパスは認められる) | 間接フリーキック |
2.2 ファウル時のペナルティ
ファウルには、主に以下のペナルティがあります。
2.2.1 イエローカード
イエローカードは、スポーツマンシップに反する行為や、軽度のファウルに対して出されます。1試合で2枚のイエローカードを受けると、レッドカードとなり退場となります。イエローカードの累積枚数によっては、出場停止処分となることもあります。
2.2.2 レッドカード
レッドカードは、重大なファウルや暴力行為などに対して出されます。レッドカードを受けると、その場で退場となり、次の試合にも出場停止処分が科せられます。
2.2.3 直接フリーキック
ファウルがあった地点から、直接ゴールを狙えるフリーキックです。キックしたボールが直接ゴールに入れば得点になります。
2.2.4 間接フリーキック
ファウルがあった地点から、一度他の選手にパスしてからでないとシュートを打てないフリーキックです。キックしたボールが直接ゴールに入っても得点にはなりません。審判は、間接フリーキックであることを示すために、片手を高く上げます。
2.2.5 ペナルティキック
ペナルティエリア内で守備側の選手がファウルを犯した場合に、攻撃側に与えられるキックです。ペナルティスポットと呼ばれる、ゴールから11m離れた地点からシュートを放ちます。キーパーと1対1の状況となるため、得点の確率が高いキックです。
これらのペナルティは、ファウルの種類や程度によって異なります。審判は、状況に応じて適切なペナルティを科します。小学生年代では、ファウルの種類をすべて覚えるのは難しいかもしれませんが、相手選手を転ばせたり、押したり、蹴ったりする行為はファウルになるということを理解しておくことが重要です。また、審判の笛が鳴ったらプレーを止めることも大切です。これらの基本的なルールを理解することで、安全で楽しいサッカーをプレーすることができます。
3. 試合の流れを理解しよう
サッカーの試合は、様々な状況に応じて流れが変化していきます。ここでは、キックオフから始まり、スローイン、ゴールキック、コーナーキック、ドロップボールなど、試合中の主な流れを小学生にもわかりやすく解説します。これらの流れを理解することで、サッカー観戦がより一層楽しくなるでしょう。
3.1 キックオフ
試合開始と、得点が入った後の再開時にキックオフが行われます。センターサークル内から、主審の笛と同時にボールを前方に蹴り出して試合が開始されます。キックオフ時には、センターサークル内にいる選手以外はセンターサークル外にいなければなりません。また、キックオフのボールが一度他の選手にタッチされるまで、キックオフを行った選手は再びボールに触れることはできません。
小学生の試合では、キックオフ時にオフサイドはありません。ただし、キックオフ直後にボールを後ろに下げるプレーは反則ではありませんが、あまり見られません。ほとんどの場合、前線にパスを出して攻撃を開始します。
3.2 スローイン
ボールがサイドラインを完全に超えてアウトオブプレーになった場合、最後にボールに触れた選手の相手チームがスローインを行います。スローインは、両足がタッチライン上か、タッチラインの外側についている状態で、頭の後方から両手でボールを投げ入れます。スローインから直接得点することはできません。
小学生がよく間違える点として、片足が浮いていたり、頭の前からボールを投げてしまったりすることがあります。正しいフォームでスローインを行うように練習しましょう。また、ボールを投げる前に、どこに味方がいるかを確認し、正確にパスを出すことが重要です。
3.3 ゴールキック
攻撃側の選手が最後にボールに触れ、そのボールがゴールラインを完全に超えてアウトオブプレーになった場合、守備側のチームにゴールキックが与えられます。ゴールキックは、ペナルティエリア内の任意の場所から行います。ボールがペナルティエリアを出るまでは、他の選手はペナルティエリア内に入ることはできません。ゴールキックから直接得点することも可能です。
小学生の場合、ゴールキックを大きく蹴り出す練習をすることが多いですが、味方に正確にパスをつなぐことも重要です。状況に応じて、短いパスでつないで攻撃を組み立てる練習もしましょう。
3.4 コーナーキック
守備側の選手が最後にボールに触れ、そのボールがゴールラインを完全に超えてアウトオブプレーになった場合、攻撃側のチームにコーナーキックが与えられます。コーナーキックは、相手側のコーナーアークから行います。コーナーキックから直接得点することも可能です。
コーナーキックは得点のチャンスとなるため、小学生年代でも様々な戦術が用いられます。ニアポストに速いボールを入れる、ファーポストに高いボールを入れる、ショートコーナーでパスをつなぐなど、状況に応じて適切なキックを選択することが重要です。
3.5 ドロップボール
試合中に、審判がファウル以外の理由でプレーを中断した場合(例えば、ボールが破損した場合や、選手が負傷した場合など)、ドロップボールで試合が再開されます。ドロップボールは、プレーが中断した地点で審判がボールを落とすことで行われます。ボールが地面に触れた後、どちらのチームの選手もボールに触れることができます。
ドロップボールの場面はあまり多くありませんが、小学生でもルールを理解しておくことが大切です。ドロップボールになった場合は、周囲の状況をよく見て、素早く反応することが重要です。
状況 | 誰がボールを扱うか | どこから再開するか | 直接得点できるか |
---|---|---|---|
キックオフ | 得点後:得点したチーム 試合開始時:コイントスで勝ったチーム | センターサークル | 可能(ただし、キックオフ直後にボールに触れた選手以外) |
スローイン | ボールをアウトオブプレーにした選手の相手チーム | ボールがアウトオブプレーになったサイドライン上 | 不可能 |
ゴールキック | ボールをアウトオブプレーにした選手の相手チーム(守備側) | ペナルティエリア内 | 可能 |
コーナーキック | ボールをアウトオブプレーにした選手の相手チーム(攻撃側) | 相手側のコーナーアーク | 可能 |
ドロップボール | 審判がドロップボールを行う | プレーが中断した地点 | 可能 |
これらのプレーが組み合わさり、小学生の試合では、試合時間やハーフタイムの長さが短縮される場合があります。例えば、8人制サッカーでは前後半それぞれ25分間で行われることが多いです。また、低学年ではさらに短い時間で行われることもあります。これらのルールを理解し、サッカー観戦をより楽しんでください。
4. まとめ
この記事では、小学生のサッカー初心者向けに、基本的なルールを解説しました。試合時間やピッチの大きさ、選手の人数とポジション、ファウルの種類、オフサイド、キックオフ、スローイン、ゴールキック、コーナーキックなど、試合に必要なルールを図解を交えて分かりやすく説明しました。これらのルールを理解することで、サッカー観戦がより楽しくなるだけでなく、実際にプレーする際にも役立ちます。サッカーはチームスポーツです。ルールをしっかり理解し、仲間と協力してプレーすることを心がけましょう。